毎年一般公開されている、茨城県にある虎塚古墳。春季一般公開に行ってきました。
本物の虎塚古墳は、観察室からガラス越し見るため、少し見づらいですが、近くにある「ひたちなか市埋蔵文化財調査センター」に実物大のレプリカがあり、見比べて見て改めて虎塚古墳の凄さに感動しました。
虎塚古墳
虎塚古墳は、古墳時代終末期の7世紀初頭頃の築造と推定され、7世紀前半頃の追葬が推測されます。
東日本を代表する彩色壁画古墳であるとともに、未開口状態(埋葬後盗掘などが行われていない状態)で石室内の環境測定が行われた際に、初めて行われ現在も保存施設内で良好な状態で保存されており、文化財保存科学的にも重要視されている古墳です。
虎塚古墳は、茨城県ひたちなか市中根にある古墳で、前方後円墳の形状をしています。虎塚古墳は虎塚古墳群を構成する1つであり、国の史跡に指定されています。また、出土品はひたちなか市指定の有形文化財としても認められています
この古墳は、茨城県中部、那珂川下流域北岸、那珂川支流の中丸川に流れ込む本郷川右岸の台地上に築造されました。虎塚古墳は装飾古墳としても知られており、東日本では珍しい彩色壁画古墳です。
装飾古墳(そうしょくこふん)
日本の古墳のうち、内部の壁や石棺に浮き彫り、線刻、彩色などの装飾のあるものの総称で、墳丘を持たない横穴墓も含まれる。大半が九州地方、特に福岡県、熊本県に集中している。福岡県桂川町の王塚古墳(国の特別史跡)、熊本県山鹿市のチブサン古墳などが有名である。
令和元年に確認された情報では、5世紀から7世紀ごろに九州の北・中部に集中して作られた。全国で723例ある。九州に多い理由として、九州では飾られた死者として会葬者向けに作られ、近畿では隠されて作られる地域性と死生観の改革が仮説として指摘されている。
墳丘の特徴
前方部を北西方向に向けた前方後円形の墳丘。
周溝を含めた古墳全長は約63.5メートル。
後円部の直径は約32.5メートル、高さは約7.5メートル。
前方部の幅は約38.5メートル、高さは約7.2メートル。
埋葬施設
後円部に両袖式の横穴式石室があり、南南西方向に開口しています。
石室内には彩色壁画が残されており、幾何学文様や具象的な壁画が良好な状態で遺存しています。
出土品には人骨、鉄製品、須恵器、土師器などが含まれています。
虎塚古墳は、7世紀初頭に築造されたと推定され、その石室内の環境測定が未開口状態で初めて行われ、文化財保存科学的にも重要視されています1. 現在は「虎塚古墳史跡公園」として公開されており、春と秋に一般公開されています。
1973年8月16日より始まった発掘調査はまずは、墳丘の測量調査を行いました。
そして墳丘の測量調査が完了したのち。
1973年9月12日午前10時52分。市民ら200人が虎塚古墳を囲み見守っているなか、
市職員が数人がかりで虎塚古墳の石室の重い扉石をゆっくりと開けます。
薄暗い石室内の天井から垂れ下がった草木の根っこ。
目を凝らすと、何本もの根の向こうに赤い幾何学文様が見え、思わず叫び声が上がったそうです。
「壁画だ!」
調査団長で明治大教授の大塚初重(故人)さんが石室内を確認して、石室内に壁画発見と市民に伝えると、大きなどよめきと拍手が起こったそうです。
虎塚古墳一般公開
当日は小雨が降る天気でしたが、見学会は行われていました。
春の一般公開です。3~4人のグループで古墳内に入ります
オリジナル虎塚古墳の石室内部を観察窓から見ることが出来ます。
残念ながら撮影禁止のため、撮影は出来ません。
一般公開時に頂いたパンフより
令和6年 秋季の一般公開予定
日程
2024年11月7日(木曜日)から2024年11月10日(日曜日)まで
2024年11月14日(木曜日)から2024年11月17日(日曜日)まで
受付時間
午前9時00分から午後0時15分まで
午後1時30分から午後3時45分まで
問い合わせ
教育委員会総務課文化財室 電話029-273-0111内線7307・7308
ひたちなか市埋蔵文化財調査センター
オリジナルの石室をすぐに見たいと思いますが、まず初めに「ひたちなか市埋蔵文化財調査センター」に行き、予備知識を得てから見学して、見学後に再度センターに行き再確認するとかなり理解できます。
まとめ
埋葬されていた人、追葬された人の特定は出来ていないそうです。
しかし、石室の装飾から、埋葬されている人は九州地方に関係する人と云われています。
また、壁画の意味もはっきりと判っていません。歴史学者が10人いれば10人異なる意見が出るそうです。
今後、多くの遺跡調査が行われ、うっすらとした歴史の形がだんだんはっきり明確になっていくと思われます。
歴史のパズルを一つ一つ明確にして、そのパズルを紐解いていくと歴史ははっきりしていきます。歴史を調べていく醍醐味の一つですね!